センサーはロケットから飛行機、携帯電話、ウェアラブル機器に至るまで、日常生活のすべての側面で広く使用されています。 MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により、従来の大型で扱いにくい伝統的なメカニカルセンサーコンポーネントをナノメートルサイズに縮小し、電子ウェーハに組込む事が可能です。 Garmin は "垂直統合" 設計コンセプトの優位性を活かし、サイズが小さく、消費電力も低いオールインワンの電子センサーを独自開発の上、それを製品に使用しています。
ジャイロスコープは 3 軸の重力変化を検出することができ、角運動量を測定するためのセンサーです。 角運動量とは方向性を持つベクトルの一種で、軸に沿って回転する物体の慣性モーメント及び角速度の対象は角運動量です。したがって、角運動量は慣性モーメントおよび角速度に比例します。 角速度は単純な速度とは異なり、単位時間当たりの回転角です。 回転しない場合は角速度はゼロになります。 X 軸のみを回転させた場合、Y 軸と Z 軸の出力は 0、X 軸の出力は回転角速度であり、角速度は時間と積分されて回転の「角度」が算出されます。 その優れた指向特性のために、ジャイロスコープは船舶、航空機などのナビゲーション目的で広く使用されています。 電子ジャイロスコープは、単純な高調波振動とコリオリの力の原理に基づいて動作するため、従来の回転式ジャイロとはまったく異なります。 電子ジャイロスコープは多くのセンサー製品、スタビライザー、および多くの計測器は携帯電話やウェアラブル機器などで使われています。
加速度を測定する装置は、物体の「運動加速」と地球の質量によって生成される「重力加速度」を測定することができます。 重力加速度は時間の経過によって大きく変化しないため、加速度計は誤差の蓄積を防ぐためにジャイロスコープを補正するために使用されることが多いです。 運動加速度は物体の変位と速度を計算するためにも使用でき、センサーが自由落下すると運動の加速度と重力の加速度が相殺されて出力がゼロになります。 重力環境では加速度計は重力加速度を感知するため、傾斜計としてよく使用されます。
磁場を測定して方位を知るためのセンサー。 電子コンパスは古典的なコンパスの磁針に置き換え、ローレンス力を用いて電流中の電子の偏向を基に算出します。方位は、X 軸、Y 軸、Z 軸上の磁場の投影によって計算されます。 磁場の単位はテスラまたはガウスです。 地球自体は磁場を持っていますが、それは唯一の磁場ではなく、多くの干渉源も存在しています。
膜型気圧計は最も一般的な圧力検出素子であり、圧力変化によりその膜が凹凸に変化し、それに伴い抵抗値も変化します。抵抗値は静電容量センサーで測定されます。 高度が上がる事により大気圧は低下しますが、そのデータは補正され標高データに変換されます。 温度センサーを装備している場合は、測定された温度に応じて測定結果を補正し、気圧計の精度を向上させることができます。これにより屋外や屋内スポーツなどのさまざまな環境での利便性が大幅に向上します。 気圧計のデータは高架橋や高層ビル下など GPS の電波を受信しづらい場所での測位にも生かされています。 Garmin の最初のダイビングウォッチ Descen MK1 では、圧力値の大きく異なるデータを検出するために 2 つの異なる圧力ゲージを採用し、一般的なダイビングウォッチをはるかに超える機能を果たしました。
さまざまな状況でアプリケーションを正常動作させるために、多くのセンサーをどのように連携させればよいのでしょうか?
Garmin はさまざまなアプリケーションのために複数のセンサーを統合し、可能性を探求し続けています。
ジャイロスコープは「方向」を求め、加速度計は「加速度」を求め、二つ合わせて「空間ベクトル」となります。コンパスの示す「方位」、GPS の示す「位置」を合わせて、「変位」を計算することができます。更に時間を加えると「アクティビティモード」が分かります。Garmin ウォッチの「ランニングダイナミクス」は、プロフェッショナルにも対応するさまざまな指標を含んでいます。
ピッチ:1 分あたりの歩数。ランニングダイナミクスはランナーがよく計測するランニングの指標です。
※:実際のデータは個人差により異なりますので、上記データにつきましてはあくまでも参考としてお考えください。
歩幅:一歩で進む平均的な距離。ランニングダイナミクスはランナーがよく計測するランニングの指標です。
※:実際のデータは個人差により異なりますので、上記データにつきましてはあくまでも参考としてお考えください。
上体の上下のふり幅。上下動が大きければ大きいほど、ランニングの効率が悪くなります。ただし、上下動は低ければよいというものではなく、「歩幅」を合わせて考える必要があります。移動の効率 = 上下動 ÷ 歩幅 × 100%、それは踏みだす度に自分が前進する効率を示しています。優秀なランナーは、パワーを上ではなく、前に進むことに使っています。
注意事項:実際のデータは個人差により異なりますので、上記データにつきましてはあくまでも参考としてお考えください。
片方の足が地面に接触した瞬間から、完全に地面を離れるまでにかかる時間。
※:実際のデータは個人差により異なりますので、上記データにつきましてはあくまでも参考としてお考えください。
単にジャイロスコープと加速度計を使用すると空間ベクトルのみ標示されます。コンパスの「方向」とGPSの「定位」を加えると、高精度で所在位置と移動軌跡を示すことができます。
GPS と気圧計を併用する事により、リアルタイムで位置と標高の変化を求めることができます。fēnix シリーズウォッチには ClimbPro 機能が搭載されており、計測地点の高度と高度変化をプロットします。